老眼、目の病気、弱視などの様々な「見えにくさ」に、あらゆる対処法を提案

視覚障害(弱視 ロービジョン)のお泊まり旅行

家の外

慣れた家の中では普通にできることも、他の場所では何もかもが難しくて、危険な目にあったり挫けそうになったり。
なので旅行だなんて私にとっては最難関なことの1つなのですが、視覚障害になってから2度、一泊のお泊まり旅行を経験しました。
その経験から「こうすると良い」「これが困る」など学んだことや、視覚障害にも配慮された宿泊施設のことなどを書きたいと思います。

もくじ
  • 失敗した1度目の旅行
  • 2度目の旅行
  • 荷物の工夫
  • 視覚障害(弱視 ロービジョン)ならではの持ち物
  • 視覚障害にも配慮されているホテルや宿泊施設
  • 失敗した1度目の旅行

    たしかまだ視覚障害になって間もない頃だったと思います。
    自分の障害、見え方、出来る事/出来ない事をきちんと把握出来ていなかった頃でした。
    なぜか何となく、さほど親しくない人たちとの旅行に参加してしまいました。
    周りは年の離れた年上の方ばかり。障害持ちは私だけ。
    結果、周りの人は「介護する人」になり、私は「介護される人」となってしまいました。
    自分がいわゆる「弱者」的立場であることを理解していなかった私は、そうなることを考えもしなかったんです。
    今振り返るとアホやなぁ、と思いますが。

    同行者は私のせいで羽目を外せず、私はいい年をして保護される立場であることに悲しさや悔しさで情けなくなり。
    いくら「大丈夫です」って言っても、周りは放っておくわけには行かないのですよね。
    自分の愚かさに、思い出すのも避けたい出来事になってしまいました。


    この経験から「旅行は辞めておこう」と学んだのですが、友人たちとの会話中にそんな話をした時、あっさりと
    「えっ、親しくない人たちと行くから、そんなことになるんじゃないの?」
    「親しい人と行けば良いじゃん」
    と言われ、そういうものか…と思いました。

    そしてその後、親しい友人と旅行に行くことになりました。

    2度目の旅行

    今度は対等な関係の親しい友人との旅行です。
    とは言っても、行き先・プラン・ホテル探し/予約など全ては友人がやってくれたので、まだまだ偉そうなことは言えませんが。

    ホテルが予想以上に暗くて全然見えなくて困った、という事以外は、それなりに見えにくさの対処は出来たと思います。
    なにより、今回は旅行を楽しめて、新たな自信も持つことが出来ました。

    荷物の工夫

    視覚障害(弱視 ロービジョン)の旅行の荷物 準備の工夫

    まず、複数のヘルニア持ちなので荷物は極力軽く、というのが条件です。
    なので液体・クリーム系はすべて詰め替えました。

    上の写真の左側は、飲み薬。
    本当は昼にも内服があるのですが、調整して朝晩だけにしました。
    小さなジップ付き袋に入れ、ラベルシールを貼りました。
    文字を大きく書くだけでなく、朝は赤、夜は青のペンで書くことで、より見分けやすく工夫しています。

    中央上は、コンタクトレンズケースに入れたクリームとBBクリーム。
    詰め替えにコンタクトレンズケースが良い、という情報はネットで見つけました。
    確かに液漏れに強いだろうし、かさばりません。最初に考えた人はすごい!
    コンタクトレンズ用なので、どんな物を購入しても左右の目印があるのでしょうが、これは黒と白に色分けされているので、おそらく一番見やすいのではないかと思います。
    忘れっぽい私は「白=色がついていない=クリーム」、「黒=色がついている=BBクリーム」という風に入れました。
    このコンタクトレンズケースは百均ダイソーの商品。

    百均 ダイソー コンタクトレンズケース

    このようなケースに、この保存用ケースと、柔らかい小さなピンセットと、小さな保存液入れが入っています。
    (ちなみにケース蓋裏側は鏡)
    その「小さな保存液入れ」が、上画像の右下で、これには化粧水を入れました。

    その上の色付きキャップの容器(上画像の右上)は、目薬が入っていた容器です。
    目薬の容器も液漏れがしにくいので、私はよく自己責任で保湿用のオイルなどを入れています。
    残りの、上画像の下中央は無印良品の小分け容器に日焼け止めを入れたものです。「ひ」は日焼け止めの「ひ」。(ドレミの歌かっ!)

    また、これら筒状の容器は転がる恐れがあり、転がり落ちたら最後、見つけられない可能性があるので、転がらないように透明ジップ付き袋に入れました。
    見えにくい私にとって、転がらないことも大事なことなのです。
    ただこれに関しては、容器にマスキングテープを巻いて、そのテープを巻き切らずにタグのようにピョコンと飛び出した感じにすれば、転がり防止と目印になるかもと後から思いつきました。
    この方法ならば、1つ1つをジップ袋に入れる必要もないので、よりスムーズで合理的かも。

    1泊だったので、服類はとくには工夫は要りませんでした。

    視覚障害(弱視 ロービジョン)ならではの持ち物

    普段の外出と変わらないのですが、ロービジョンだからこその持ち物は、
    ・白杖
    ・ルーペ
    ・単眼鏡
    ・LED懐中電灯
    ・スニーカー
    ・眼鏡(2種)…遠用と近用
    ・スマホ…飲食店のメニュー、チケット、遠くの景色などを撮影&拡大して見るなど
    ・スマホ用充電器

    くらいでしょうか。
    持って行かなかったけど、あった方が良かった物は、
    ・遮光眼鏡
    ・家で使っているルーペ(LEDライト付き、手持ちタイプ)
    ・遠くを広い視野で見ることができる単眼鏡(持ってないけど!)
    ・マスキングテープ(後述)
    ・目立つ物いろいろ(後述)
    でした。

    マスキングテープについて

    友達がせっかく1つ1つ教えてくれた、ロクシタンのアメニティー(シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、ボディーミルク)なのに、お風呂で使っているうちにどれがどれだか分からなくなってしまいました。
    こういう、現地で目印を付けるためのマスキングテープも、今後は持って行こうと思いました。

    目立つ物いろいろについて

    前述のように転がり防止の工夫はしたけれど、いざ荷物を広げると分かりにくくなってしまうので、あらゆる持ち物が目立つ色・デザインだと良いなとも思いました。
    例えば洋服や下着などを入れる袋、ハンカチ類、メガネケース、スマホ充電器、ポーチなど。
    ポーチは中身を見つけやすいように半透明の物を持って行ったけど、ベッドの上に置くとポーチ自体が「どこ?」状態に。
    ホテルに泊まる場合は、むしろ派手な色のポーチの方が良いと分かりました。

    視覚障害にも配慮されているホテルや宿泊施設

    新しい情報を見つけ次第、追記していきたいと思っています。

    高山グリーンホテル

    https://www.takayama-gh.com/room/univ.html

    岐阜県高山市の高山グリーンホテルは、障害者向けの施設でなく、一般のホテルでありながら
    目の不自由な方向けの客室(コントラストルーム)
    という客室が設けられています!すごい!!

    コントラストルームの名の通り、枕元の電話案内や電話のボタンが[デカ文字+黒背景+白文字]で見やすくされていたり、白っぽい床に黒っぽいテーブル、お手洗いやバスルームもコントラストをくっきり付けて、見やすくしてくれています。
    「視覚障害」というと、「はいはい、点字を付けておけば良いんでしょう」で処理されて終わり、な施設が多そうな気がしますが、こちらは「見えにくさ」を理解してくれている印象で、見えにくい者の一人として感激しました。
    老眼や白内障などで見えにくさを感じる人にも、便利に快適に利用できそうに思います。
    ぜひいつか泊りに行ってみたいです!!

    ビッグアイ

    http://www.big-i.jp/hotel/

    大阪府堺市の国際障害者交流センター「ビッグアイ」は、多目的ホールや研修室も備えた宿泊施設で、部屋は全35室。
    障害者の利用を前提としているので、様々なバリアフリーがなされているようです。
    視覚障害に便利そうな点では、室内に段差がほぼ無いこと、様々な場所での点字表示、点字ブロック代わりのカーペット、触ってわかるトイレの空室案内、入り口が分かるよう手すりの工夫、手で触れて分かる館内案内板、小型送信機を用いたガイドシステム*、エレベーターの大きなスイッチ等々。

    *小型送信機を用いたガイドシステムは、シグナルエイドという小型受信機に対応しているようです。
    私は知らないのですが、障がい者自立支援法の自立生活支援用具給付対象品の「歩行時間延長信号機用小型送信機」という項目で指定された商品だそうです。
    今調べてみたら、これを持っていると対応する信号などでは音声で教えてくれるようですね。
    ですが給付を受けられるのは、我が自治体では視覚障害の1、2級。(おそらく他でも同様かと)
    毎日命がけで信号を渡っている3級の私は、自費で買う必要があるようです。

    話が逸れましたが、このホテルは障害者手帳を持っている人ならば、平日なら5000円前後で宿泊できそうなリーズナブルさ。
    障害者向き宿泊施設はおそらく全国に複数あるのですが、(贅沢な意見ですが)「泊まってみたい」と思える魅力を感じたのは、私が見つけた中ではここだけです。(きれいそう)
    こちらも大阪方面に行った時は、いつか宿泊してみたいです。

    番外編:ニューオータニイン札幌のランチビュッフェ

    https://newotanisapporo.com/enjoy_buffet.html

    目が悪くなって諦めたことの1つに、ビュッフェ(バイキング)があります。
    なにしろどこに何が置いてあるのか分からないし、下手をしたら席が分からなくなって戻れなくなりそうだし(汗)
    人と一緒に行っても、対等な関係でいたい同行者に一方的に世話になってしまうのは、申し訳ないし自分も情けない。

    ですが、こちらではスタッフさん達がきちんと研修を受け、例えば一緒に歩いて料理をお皿にとってくれたりするようです。
    点字メニューや見やすいメニューも用意され、ユニバーサルな食器も用意されているそう。
    私は首都圏住みですが、もしこれが東京での話なら今日か明日にでも行きたいです。

    ビュッフェを人生から取り除いても生きてはいけるけど、もしそれを取り戻せたら、失い諦めた”キラキラ”を取り戻すことが出来ます。
    こういう「無くても生きていけるけど、あったら人生が充実する」という分野でも配慮いただけるのって、本当に本当に嬉しい。